さらに、この絵本を魅力的にしているのは、その絵である。あたたかな線と色で描かれる絵には、言葉にはなっていない小さなストーリーがたくさんつまっている。風邪をひいたおじいさんに席をゆずる人や、カーブでばらまかれてしまった荷物を皆が拾ってあげたりしている光景などがそこには描かれている。さらに最後のページは運転席の図解になっているなど、暖かな演出が施された1冊。(小山由絵)